風と共に去りぬ | 【隔離】映画履歴室【病棟】

風と共に去りぬ

タイトル:風と共に去りぬ

監督:ヴィクター・フレミング
出演:クラーク・ゲーブル ヴィヴィアン・リー レスリー・ハワード オリヴィア・デ・ハヴィランド ハティ・マクダニエル
製作:1939年 アメリカ

【ストーリー】南北戦争前夜の「古き良き南部」。タラの大地主の娘、スカーレット・オハラは想いを寄せるアシュレーが結婚することを知り動揺する。スカーレットはアシュレーに想いを告げるも拒絶され、さらにその場を評判の良くないレット・バトラーに目撃されてしまう。スカーレットはアシュレーに拒絶された腹いせに愛してもいない男性と結婚をする。しかし夫は南北戦争で病死し、彼女は未亡人となる。喪に服し家に閉じこもることに耐えかねたスカーレットはアトランタに行き、そこでレット・バトラーと再会する。しかし、戦争は激化し南軍は追い詰められアトランタにも戦禍が降りかかる・・・。


【感想】一人の女性に「運命の相手」というのが二人いたらどぅなるか?というような映画だったような気がしました。片や堅実で落ち着いた印象のアシュレー、片や女の扱いに慣れていて独身主義のレット・バトラー。スカーレットにとって不幸だったのは、彼女自身が、恋愛においては諦めることのできない性格だったことでしょうねぇ。アシュレーが結婚した後も、彼への未練が断ち切れずに、それが結局、バトラーとのすれ違いの原因にもなってしまう悲劇。アシュレーを失い、息子を失い、親友を失い、そして最後にはバトラーも失ってしまう。最後の場面に彼女に残されていたのは、「あした」という希望だけでした。しかし、個人的にはスカーレットはただの気の強い我侭娘にしか見えませんでしたがw


 スカーレットの生きるためへの強烈で汚れ役すら厭わない行動力。テラの土地を、そして家を護るためなら、男を騙し、妹の恋人を奪い、全てを奪った北軍を相手に商売をする。そんな彼女の、ある種計算高い行動と、恋愛でのあまり賢いとは思えない行動、この差が印象的でした。まぁ、アシュレーに対してもバトラーに対しても「私には貴方しかいない。」と懇願するあたりは計算高い?のかもしれませんがw しかしあれですね、金持ちっていうのは一度なくしてもあっという間に金持ちに戻れるんですねw やっぱり金持ちには金持ちの知り合いが多いからやり直しが聞くのかもしれませんw


 この映画での主演はクラーク・ゲーブル演じるレット・バトラーとビビアン・スー演じるスカーレット・オハラですが、主人公となると、テラの大地も数えられると思います。スカーレットの父親が言っていたとおり彼女を最後まで裏切らずに常に支えていた存在でした。そして、なんたって美しいんですよ。沈む夕陽に紅く染まったテラの大地、浮かぶ影。一枚絵としても完成されているすばらしい構図です。


 恥ずかしながら原作は未読なのですが、機会があればぜひ読んでみたいですね。さらに『風と共に去りぬ』には『スカーレット』という続編もあるそうです。ただし『スカーレット』の作者は別人です。原作者であるミッチェル女史の遺族からのお墨付きではあるそうですが・・・。