【隔離】映画履歴室【病棟】 -2ページ目

キャットウーマン

タイトル:キャットウーマン
監督:ピトフ
出演:ハル・ベリー シャロン・ストーン ベンジャミン・ブラッド ランバート・ウィルソン
製作:2004年、アメリカ

【ストーリー】
内気な広告デザイナー、ペイスエンスは勤める製薬会社ヘデアが翌週発売する新化粧品の恐ろしい副作用を知ってしまったために殺される。しかし、彼女は不思議な能力を持った猫に見込まれてキャットウーマンとして蘇る。彼女は自分を殺した会社に復讐するため、そして、副作用のある薬を発売させないためにキャットウーマンとして会社と対決する。

【感想】
新旧セクスィィ女優対決!ハル・ベリーvsシャロン・ストーン!どちらとも綺麗ですよねぇ。シャロン・ストーン、この人はいつまでたっても年取らないなぁ。まさにハリウッドマジック!肌も白いし張りもあるし・・・。本人もいろいろ努力してるんだろうけど化粧の力もあるんだろうなぁ。そんなふうに思える彼女だからこそ今回の役は説得力がありました。しかし、この作品は、多少ハル・ベリーのPV的な印象が強い作品なのでちょっと分が悪かったですね。そして、そのハル・ベリー。褐色の肌、情熱的な瞳・・・。あぁ、これだけでもぅやられちゃいそうです。『チョコレート』でアカデミー賞を受賞したあとでも『007 Die Another Day』や『キャットウーマン』みたいな娯楽作品にも積極的に出てくれて目を楽しませてくれます。シャロン・ストーンの白とハル・ベリーの黒のコントラストが美しい。

えっ?作品の魅力はどぅだって?んなこたぁどぅだっていいんです。セクシー女優がセクシーなコスチュームで飛んだり跳ねたりする、これだけで充分です。もっともキャットウーマン自体の魅力は『バットマンリターンズ』のミシェル・ファイファーのほうがキャットウーマンしてましたけどね・・・。

ナイトメア・ビフォア・クリスマス

タイトル:ナイトメア・ビフォア・クリスマス
監督:ヘンリー・セリック
出演:
製作:1993年、アメリカ

【ストーリー】
ハロウィン・タウンの支配者、ジャックは悩んでいた。毎年代わり栄えのしないハロウィン。今年のハロウィンも去年と同じように大成功し、おそらく来年も今年と同じように大成功するだろう・・・。しかし、なにかが物足りない。森の中を歩くうちにジャックはクリスマス・タウンに迷い出る。そこでは白くて綺麗な冷たいものが降り、木はピカピカしたもので飾られ、幸せな笑い声が響いていた。ジャックはこれこそが自分が求めていたものだと気づき、クリスマスをハロウィン・タウンでおこなおうと決意する。

【感想】
ティム・バートンの造形美が大爆発してる素敵な作品です。クリスマスのためのミュージカルといっても過言ではないくらいに、ミュージカルパートがあります。オープニングの「This is Halloween♪」の曲を聴くだけでウキウキしてきます。しかも、人形なのに各キャラクターの表情が素晴らしい。喜怒哀楽すべての感情が上手に表現されていて、そこら辺の下手な俳優さん顔負けです。ジャックの無邪気さや、サリーの秘めた想い、町長の滑稽さ・・・。人形をこれだけの分量動かすのは相当大変な作業だったんだろうなぁ。

文化輸入の難しさについてもちょっと考えさせられましたね。ジャックが必死にクリスマスをハロウィン・タウンに輸入しようとするけれども、なかなかうまくいかない。結果的にハロウィン・タウンで完成されたクリスマスは、クリスマスの体裁を取りながら中身はハロウィンのまま。でも、クリスマスよりもハロウィンよりも魅力的なお祭りに感じました。

クリスマス・タウンにつながる扉以外にも扉がいくつかありましたが、それぞれどこにつながってるんだろう。ジャックが他のタウンに行くお話も見てみたい気がします。

ちなみに、この『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の監督さんはティム・バートンじゃありません。彼の色で染められている作品ですがヘンリー・セリックという人が監督さんです。

ジェリー

タイトル:ジェリー
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マット・デイモン、ケイシー・アフレック
製作:2002年、アメリカ

【ストーリー】
曲がりくねった道を車で走る。荒野に出て二人は歩き始め、そして道に迷う。ハイウェイに戻ろうとひたすら歩き丘を昇り砂漠を歩くが見つからない。

【感想】
淡々とした映像。とてつもなく長いワンショット。どこまでも続く同じ光景。静かで穏やかな風の音。もぅ、眠くなること請合の作品です。二人はただただひたすら歩き続けます。時折、岩から降りれなくなったり動物の足跡を見つけたりしますが、とにかくずっと歩きます。ゴールは見つからないし、どこにあるのかもわからない。どっちにいけばいいのかわからないし、どっちに向かってるかもわからない。ふと映画を見ながら、これは人生なのかしらん? と思いました。昨日と同じ今日、今日と同じ明日。そして映画やドラマのような劇的なことは起こらず、どっちに向かっていいのか、自分がどっちに向かっているのかもわからない。劇中の二人のように右往左往しているのが僕達の人生なのかもしれません。

モンスター

イトル:モンスター
監督:パティ・ジェンキンス
出演:シャーリーズ・セロン、クリスティーナ・リッチ、ブルース・ダーン
製作:2003年、アメリカ

【ストーリー】
アイリーン・ウォーノス、娼婦・・・。彼女は人生に疲れ果て、男にも女にも絶望し自殺を考えている。手元にあるのは一丁のピストル、そして男にフェラをして稼いだ5ドルだけ。「このまま自殺してしまえば男にただでフェラをしてやったのとかわりない・・・。そんなことは許せない。」 そんな小さな虚勢から最後のビールを飲みに馴染みのバーに入ったアイリーン。そこで彼女は一人の女性、セルビーと出会う。それが更なる悲劇の始まりになるとは知らずに・・・。

【感想】
愛、人間、世間など全てに絶望して自殺を考えていた矢先に見つけた微かな希望。彼女のためを思い行動することがすべて裏目に出る不運。そして最後には愛した女性にも裏切りとも言える悲劇に見舞われ死刑になってしまう。とことん運が悪いというか、悲劇的な女性としては『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のセルマがいますが、このアイリーンも悲劇的な人生を歩んでます。

シャーリーズ・セロンが凄い事になっています・・・。弛んだ頬、血色の悪い顔、中年女性のようなおなか。なにもかもが今まで知っているシャーリーズ・セロンと違っています。あんなに綺麗な女性がここまで醜くなるなんて、役作りのためとはいえ相当苦痛だったでしょう。しかし、アカデミー主演女優賞を受賞したのも当然と思える演技。ギラギラした瞳、下品を体現したような行動、そして何よりも醸し出す雰囲気。言われなければシャーリーズ・セロンとは気づかなかったでしょう。そして、その全く別人となったセロンの相手を務めるのがクリスティーナ・リッチ。彼女は無垢な役も小悪魔的な役もよく似合いますよねぇ。彼女もセロンに負けず劣らず綺麗な女優さんです。そして、演技も素晴らしいです。父親にも預けられ先の母親にも反発しアイリーンと共に生きることを選択するも、最後には彼女を裏切ってしまう役。最後の法廷でアイリーンを指差すときの冷たい無表情が印象的でした。

SAW

タイトル:SAW
監督:ジェームズ・ワン
出演:ケアリー・エルウェズ ダニー・グローヴァー モニカ・ポッター
製作:2004年、アメリカ

【ストーリー】
古いバスルームで目を覚ましたアダム。足は鎖でつながれている。対角には同じ状況の別の男、ゴードン。二人の間には死体。二人はこの異常な状況から脱出しようとする。二人はポケットの中にテープが入っているのに気づき、死体が握っていたテープレコーダーで再生してみる。再生されたテープからは非情なメッセージが流れる・・・。

【感想】
「セブン meets キューブ」という批評をみますが、なるほど、そういわれるのもわかります。強いメッセージ性を持った猟奇殺人鬼、訳もわからず密室に閉じ込められ、そこからの逃亡を試みる。前者はセブンの要素で、後者はキューブの要素。しかし、最後はセブンともキューブとも180度反対の結末が用意されてます。

大切な家族を人質にとられ、それを奪われそうになったときの人の狂気。自らの命が危機に曝された時に見せる人の残酷性。これらはじ非常によく表現されていて見ていて怖かったです。密室劇というわけではありませんが非情に濃度の高い映像や雰囲気も素晴らしくてだれる事もありません。ストーリーは多くの要素が絡み合ってはいるのですが、複雑ではなく難なく理解はできます。ひとつ気になった点は、犯人は「多くの人間は”生”に感謝をしない」事を犯行の理由にし、被害者がゲームに勝てば「今日から君は”生”に感謝するだろうと」言う言葉を残し解放する。事実、唯一生残った女性は”生”だけでなく彼にも感謝の念を抱くのですが・・・。しかし、アダムとゴードンはあの状況で生残っても”生”に感謝するでしょうか・・・。それがちょっと気になったんですが・・・。まぁ、いずれにしても非情に面白くて怖い作品です。犯人の決め台詞「ゲ~ムオ~バ~」っていうのもかっこよかったです。

日本で公開されたのはアメリカと同じヴァージョンで、アメリカでも日本でも公開を見送られたヴァージョンがあるのですが、それも見てみたいですね。どんなシーンが削られたんだろう。さらに、続編の製作が正式に決まったようですが、どのような作品になるんでしょうね。いまから楽しみです。